平成24年3月16日 「頼りになる上司」
先日お逢いしたある企業の会長は70歳。
高度経済成長期に小さな会社を興し(東京タワーが完成したころ)
紆余曲折を経て、現在では沢山の系列会社や子会社もある企業に成長しました。
2年前に最前線の社長を退き、故郷で奥様と2人で野菜を作り、庭木を手入れする日々。ゆったりとしたご夫婦の時間を大切に過ごしています。
会社は手塩にかけて育てた部下達がそれぞれ社長となり、ますます大きく成長し続けています。
先日、会長さんと、ゆっくりお食事をしながらお話しをする機会を得ました。
顔全体でにっこり笑ってくださる豪快かつ「親父ギャグ」炸裂の楽しい方。
そのときのお話し。
今では「社長」という立場の昔の部下達が会社の大きな岐路に立ったとき、また、大きな取引などに悩んだ時、「どうしたらいいでしょうか」と会長に相談にくるそうです。
「そういうとき、会長はどう答えるのですか?」と聴くと、大きな笑顔で、
「そんなもん、決まっとる!やれ!って言う。」
「やって、やって、成功するまでやれ!って言うだけだぁ」
私が、不思議そうな顔をすると
「だってな。成功するまでやり遂げたら、失敗にはならんじゃろが。
あんたも、仕事をするとき、やろうかなぁ、やらまいかなぁと思ったら、やれ。
成功するまでやったら、あんたは、いつでも何でも成功したことになるからね。」
ちょうど、新しいチャレンジをしようかどうしようか、迷っていた私の心に、ずん!と響いた言葉でした。
「それに、自分が育てた部下が、勝算の無い賭けをするわけないし、
まして、「どうしましょうか」なんて聞きに来るわけがない。
うちに来るまでに、孤独に、1人で体が震えるくらいまで考え抜いてから来ている。
そういう人間だと信じきっているから、即答で「やれ!」と言える。
今の自分の仕事は信じる部下の背中を押してやること。
僕は、本当に部下に恵まれて幸せな企業人人生を送れたよ。」
「信頼」上司と部下を結ぶものにこれ以上のものはないのだと教えられました。